2008年7月3日木曜日

「アルキメデスの定理すら否定する環境原理主義者による利権学問が日本の文化を堕落させている」(武田邦彦)

今日届いた「学士会会報」(第871号)。「リサイクルは資源の無駄遣い」で知られる武田邦彦教授がニッポンの「学術業界」の「利権学問化」を憂える一文を寄せている。こういう論文を掲載する学士会は、やはり捨てたものではない。腐っても鯛か。論文骨子を抜粋。

要旨:
  1. 「温暖化」も含めて現代の日本に「環境問題」というのが存在するのかは明確ではない。それはデータが学問と縁のないところで観測され、整理され、解析されているからに他ならない。
  2. 多くの日本人は「北極の海氷が融解したら海水面が上がる」と錯覚していた。氷が水に浮くのは凝固することにより体積が膨張するからであり、融解しても水面の高さは一定である。これがアルキメデスの原理だが、日本では長年にわたり専門家の発言や報道によって間違って理解されていた。驚くべきことである。科学技術立国といわれるこの日本で何が起こっているのか。
  3. 毎日のように氷が溶ける映像がテレビで放映されるが、氷が出来る映像はない。氷が減少しているか増加しているかは足し算と引き算の問題だが、環境原理主義者やマスコミは足し算の方を無視する。レジ袋についても同じこと。
  4. 日本の気候は温暖化しているかという問題にしても同じこと。感性や先入見が支配している。気象庁の発表の「傾向線」についてもそうだ。
  5. 紙の「100%リサイクル」や捕鯨についても同じ。ご都合主義による科学の歪曲が行われている。
  6. 日本の学問が「役に立つ学問」に堕落したことが原因。「役に立つ学問」とは「利権学問」と意味は等しい。こういう風潮を勇気をもって正すことが出来れば、日本は文化馨尊敬すべき国に発展するだろうと期待できる。
  7. 今回、学士会会報に寄稿する幸運を得たことに感謝したい。現在の日本の学問がどのように歪んでいるのか、またその理由は何かを自然科学の立場から述べさせていただいた。「環境」は重要だが、それはあくまでも科学的・合理的でなければならず、それを守るのは学問を学んだものにとって社会への還元活動の一つであると考えている。

先生の力がこもった文章だ。南極の氷はもし温暖化すれば逆に増加すると言う(降雪量が増えるから)。現代ニッポンの「環境問題」とは、落ち目になっているノーソン利権集団がこれこそ自分のメシのタネとして飛びついているネタだから、もとよりきわめて「政治的」な主張。科学的なんてものからはほど遠いものなのである。こういうことをのさばらしておくと、日本の科学・文化は落ち目まっしぐらだということには、まったく同感。I cannot agree with him more !

2 件のコメント:

Pepe さんのコメント...

僕の大学でも環境問題は産業だ、みたいなことを語られます。
農業問題にせよ、環境問題にせよ金や利権を絡ませすぎな気がします。言ってることはまるまる善人のようなのに。
どちらの問題にしても反対意見にとられる質問をすると罵詈雑言を浴びせられます・・。
何故にあんなにも彼らは暴力的なのでしょうか・・・。

Unknown さんのコメント...

そうなんですね〜。一種の宗教みたいな感じですが、利権とメシのタネが掛かっているから必死。更に帰属グループへの忠誠の論理が働くから、みんなのためなら何をやってもかまわないとなる。昔から一番難しい問題。だから政治家は出来るだけ触らないようにしてきた。市場経済社会では自然淘汰が進むのですが、それからかけ離れた社会ではトップダウンの改革は先ず不可能となってしまう。市場を社会の中に組み入れる比率が高かったアングロサクソンが歴史の中で勝ち残った所以です。